「ブッダのことばを伝えたい 本当の仏教への道標」でも記述しているように、私は仏教を宗教と考えていません。
後期仏教にはあまり興味がなく、初期の仏教、つまりブッダの言葉そのものに影響を受けています。ある人がガンジーや、マンデラを尊敬するように、私はブッダを人間として尊敬しているのです。
そのブッダの言葉の中で、得に自分の生活に取り入れているのが、五戒と瞑想です。瞑想については、事あるごとに書いていますし、今後も書くでしょう。今日は五戒、すなわち5つのルールについて書きます。
スポンサードリンク
シンプルルール
人の世を生きる上で法律を順守することは大切ですが、そのために六法全書すべてを暗記している人はあまりいないでしょう。人としての基本さえおさえておけば、大体において事足ります。つまりは生まれてから現在までに培ってきた、人としての価値観や道徳心があれば良いのです。
そして、たいていの人は正しい判断をくだせます。そこには若干のブレはあるでしょうが。ブレというのはつまり、赤信号だけど車が全く通行していないので渡ってしまえとか。お金を拾ったけど、100円くらいならば使っちゃえとか。
国や地域により、また各個人ごとにもやって良いこと、悪いことの判断に多少の相違はあるでしょう。さらには同じ人間でも、その時の精神状態により、多少のブレが発生するはずです。
人は、同じ事象に対処する場合においても、その時の精神状態などにより、意識的、また無意識であってもいちいち、「良いことか」「悪いことか」の判断をし、また、自分はそれを「やるか」「やらない」か、の判断をしているのです。そして、この個人のブレはその判断、つまりいちいち悩むことに対して、多少なりともエネルギーを消費しています。
ではこのブレによる無駄なエネルギーの消費を減らすにはどうすればよいか。それは、自分なりに単純なルールを持つこと。生き方の基本ルールをもつことです。このルールが単純なものであるほど、楽に生きられます。
そこで私は、自分のシンプルルールについてブッダの教えを参考にしています。つまりは、五戒と呼ばれるもので
1 殺さない
2 盗まない
3 嘘をつかない
4 姦淫しない
5 お酒を飲まない
以上です。
これを基本にしているのです。シンプルルールを心に刻むことにより、判断することに無駄にエネルギーを浪費しなくなります。ブレが小さくなります。
もちろんこれは非常に単純化された項目であって、実際には、一つ一つには多くの考えが内包されています。
例えば、盗まないというのは、たんに品物を盗まないというだけではなく、人のアイディアを盗まないとか嘘をつかない、でもその中には、虚飾のある言葉を吐かないとか、無駄口を聞かないとか、悪口を言わないなど、とても幅広い内容を含んでいます。しかし、基本を抑えておけば、すばやく応用できるのです。
また私は悟りを開いた聖人ではありませんので、これらを完全に守ることは不可能です。これらは努力目標なのです。そして、人生を歩む上での向かうべき方向です。
完全に実施することは出来ないが、少なくとも、歩いて行く方向がわかっている。そうすれば道に迷うことなく、不安になることもなく、一歩づつ前に進めます。シンプルルールが、人生を楽に歩むための道標となってくれるのです。
ちなみに、私はお酒、得にワインを毎日飲んでいます。若干、オリジナルよりゆるくなっていますが、私のシンプルルールは以下のとおりです。
1 命あるものを大切にする。可能な限り、命を奪わない。
2 人のものを承諾なく自分のものにしない。
3 出来るだけ嘘をつかない。悪口を言わないように努める。
4 浮気はしない。
5 お酒には、飲まれないようにする。その他、タバコや身体を酔わせる薬物を摂取しない。
皆さんも、自分なりに明示的なシンプルルール作っておくことをお勧めします。