第一章 「アーナパーナサティ・スートラ」の最初の考察について


お寺

「アーナパーナサティ・スートラ」の最初の考察です。

1.息を長く吸っているときには、「息を長く吸う」と知り、息を長く吐いているときには、「息を長く吐く」と知る。

2.息を短く吸っているときには、「息を短く吸う」と知り、息を短く吐いているときには、「息を短く吐く」と知る。

仏陀はここで、呼吸の長短だけではなく、他のあらゆる属性についても認識するように語っています。

今、ここにあることが大切。何かを変えようとするのではなく、ただありのままを見つめる、受容する。

呼吸と共にあることが、瞑想の成功なのではなく、呼吸と共にあること、心が迷いだすことなどその全てのプロセスが瞑想であると説いています。

仏教の第一法則は、すべてのものは常に変化しつづけているということです。

この最初の二考察の目的は呼吸をパーフェクトにすることではなく、呼吸が本当はどうなっているのかを知ることであると説いています。

目的にとらわれず、過程を大切にする。

私たちに必要なのは、人生をありのままに見、ありのままに受け入れていくこと。すべてのものが、注意するに値します。今を生きることが大切であると説いています。

現状の理解と瞑想の実践

さて、いよいよ「アーナパーナサティ・スートラ」の実践です。冒頭の説明では、息を見つめることが、人生の見つめかたにもつながるという教えを受けました。

人の心は得てして、今ここにあらず、といった状態になります。目的や一見目的に見えるものにとらわれて、今この一瞬を大切にすることを忘れるのです、今こそが人生そのものであるのに。

呼吸による瞑想修行も、ただ今ありのままを見つめることが大切、成功とか失敗とかではなく、心の迷いを払いのけるとかではなく、そのもの、その過程を見つめる。

さあ、まずは深い呼吸の何たるか、浅い呼吸の何たるかを知ることから始めたいと思います。


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