第四章 智慧と共に呼吸する 第十六の考察


わたしのこころ

この四組目の考察の全体的なポイントは、無常という事実を深く見ること、すなわち、すべてのものが不確実であるということを見ることです。

第十六の考察

「手放すことに意識を集中させながら息を吸おう。手放すことに意識を集中させながら息を吐こう」と訓練する。

あなたがここで焦点を合わせるのは手放すプロセスです。手放すことをあなたが「する」のではありません。手放すことが勝手に起こるのを、完全に無作為に見ているだけです。

十六番目の考察では、最後の自己の痕跡が消え、ただ見ているだけになります。

無執着の修行は遠い未来にあるのではありません。この瞬間にあるのです。

私達はともすれば、悟りというのは常にいい気分であるような経験だろうと考えてしまいます。

しかしそれは、別の渇望にすぎません。真の悟りとは、そこに何があってもただあるがままの世界と共に在ることであり、違ったあり方を望むことではありません。

これで、十六の考察の正規の修行は終わりになりますが、気づきと学びは続いていきます。

十六のステップの究極的な源泉は呼吸です。本気で呼吸に注意を向ければ、呼吸は無垢な源泉へと連れて行ってくれます。

仏性、涅槃、不死など何とでも呼ぶことはできますが、それが指し示すものは、私たちが知る最も深い真実なのです。

十六番目の考察についての私の理解

これで十六の考察全てが完了しました。

さて、十六番目の考察は、最後に残った自己をも消滅させ、ここまで連れてきてくれた十六の考察への執着さえも捨てさることと理解しました。

ここまでなんとか進めてきましたが、修行はまだまだ十分ではありません。

何度も繰り返し、さらに成果を深めたいと思います。


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