ベックの「仏教」では、キリスト教など他の宗教との比較により、仏教をより鮮明にします。
キリスト教の中心にあるものは、救世主キリストですが、仏教の中心にあるものは教理です。
仏陀は自分が入滅した後は、これまでの教えを師とするように弟子たちに伝えました。
仏陀そのものよりも、その教えを大切にするという考え方です。
それでは仏教において仏陀の存在そのものは重要ではないのでしょうか。いや、そうではなく、仏陀が説いたからこそ、仏教は世界宗教になりえました。
仏陀の存在の重要性は、時が経ち仏教の優勢が小乗から大乗に移るにつれて、増していきました。
※小乗 小さな乗り物 ただ自分だけが聖者となり解脱することを目指す。
※大乗 大きな乗り物 仏陀にならい、生きとし生けるもの全てを解脱させることを目指す。
仏教の主流が大乗に移ってから、仏陀の生涯も着目されるようになりました。そして、仏教において、仏陀の生涯は科学的な確実さよりも神話的、神秘的な側面の方がより重要です。
仏教の本質は、おそらくその「伝説」の中にこそ、深く表現されています。
現状の理解
仏教の中心にあるものは教理ですが、実際の仏教においては、得に大乗仏教においては仏陀そのものも重要な存在であることが確認できました。
そして、仏教の真理が、仏陀の伝説の中に深く表現されていることが理解できました。