「ゴエンカ氏のヴィパッサナー瞑想入門」ウィリアム・ハート著 春秋社


ゴエンカ氏のヴィパッサナー瞑想入門

本書は、「やさしいヴィパッサナー瞑想入門」同様、ヴィパッサナー瞑想についての入門書で、やはり同じように、ブッダの教えの入門書でもあります。

ゴエンカ氏のヴィパッサナー瞑想について

但し立場的な違いがあって、「やさしいヴィパッサナー瞑想入門」の著者は、テーラワーダ仏教を基本においていますが、「ゴエンカ氏のヴィパッサナー瞑想入門」では、つまりはゴエンカ氏は、仏教は宗教ではないという立場をとっています。

仏教、いやブッダの説いたのはダンマ(法)であり、宗教などではなく、普遍的な真理である、ということです。

私も同じような思いをもっており、そんな私にとって本書は、ブッダが本来説いたことをわかりやすく説明してくれる良書です。

ラリー・ローゼンバーグの「呼吸による癒し」を読後、若干理解が足りなかった部分を本書が補ってくれました。

両著が一対となって、私の瞑想についての理解を深めてくれたのです。

G目次

内容としては、ブッダの教えの根幹である四聖諦と八正道、それに伴う瞑想の訓練についてなどですが、それらについて、難しい仏教用語ではなく、本来あるべきやさしく簡単な言葉で解説されます。

また、ときおりはさまれる物語が心をなごませ、ブッダの教えへの理解も深めてくれるのです。

章毎にあるQAも、具体的な内容であり、多くの人が抱くような疑問と回答を広く紹介しています。

ヴィパッサナー瞑想の紹介のみならず、ブッダの教えを知る上で、真に価値のある書だといえます。

実際に行うには、正しい指導が必要

最後に。この本の著者がいっているように、本書の目的は、ヴィパッサナー瞑想のあらましを紹介し、ブッダの真の教えとを広めることにあり、瞑想方法の独習書ではありません。

瞑想の実践方法自体は、正しく学ぶ必要があるため、正しい指導者の元で、10日間のコースを受けるよう勧めています。

※ゴエンカ氏の指導するヴィパッサナー瞑想のコースは日本でも受けることができます。現在は、京都と千葉にセンターがあります。詳細は、日本ヴィパッサナー協会のホームページを参照してください。


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