「やさしいヴィパッサナー瞑想入門」 アリンナ・ワイスマン+ジーンスミス 井上ウィマラ訳


やさしいヴィパッサナー瞑想入門

「やさしいヴィパッサナー瞑想入門」についての紹介です。

仏教の基本であり、重要な内容についてのやさしい教科書

本書は、ヴィパッサナー瞑想についての入門書です。

部派仏教のうちの上座仏教、テーラワーダ仏教にもとづき、瞑想方法を解説しています。

また、仏教になじみのない人向けにやさしく、噛み砕いた仏教解説の書でもあります。

本書に説明された瞑想の方法は、体系立ったかたちではなく、どちらかというと感性に基づいた表現と感じました。

瞑想方法の具体的説明部分のボリュームもそれほどありません。

目次1

また、著者がアメリカ的スピリチュアルの傾向が強いのか、もしくは、そういったアメリカの人にも受け入れやすくするためか、文章のはしばしにアメリカ的なスピリチュアルの香りがします。

私としては、ラリーローゼンバーグの「呼吸による癒し―実践ヴィパッサナー瞑想」の率直で、現実重視の文章の方が受け入れやすく感じました。

目次2

しかし、本書は、アメリカにおける仏教の在り方を教えてくれました。

以前より他の書籍などからも感じていたのですが、アメリカにおける仏教の在り方は、仏教の新しい可能性を秘めていると推察していました。

それを本書では、よりわかりやすく説明しています。つまりは、アメリカの仏教はいわゆる在家者中心である、宗派統合的、女性の平等な参加など。

目次3

瞑想に関する文章とは別に、仏教の基本についての解説は、シンプルでやさしく説かれていて、初心者にはとてもわかりやすい内容となっています。

特に仏教としておさえておくべき内容、四聖諦、八正道などを全く仏教知識の前提がない人にもやさしく説きます。

本書は、ヴィパッサナー瞑想の方法を説くというよりも、基本的な仏教の入門書として、より良い内容ではないかと感じました。

正しい瞑想をする上で、前提として知るべき釈尊の本当の教えの基本をやさしく説いてくれる書です。

また、後半の著者たちの実際の修行の経験に基づいた師の選び方の記述などは、今後私たちの修行においても参考になるのではないでしょうか。


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