第四章 智慧と共に呼吸する 第十五の考察


無常

最後の四考察は、ここに至るまでに充分な坐禅体験があるならば、すぐにできてしまうかもしれません。無常について深く洞察していけば、その他のものはごく自然についてきます。

第十五の考察

「消滅に意識を集中させながら息を吸おう。消滅に意識を集中させながら息を吐こう」と訓練する。

あなたは無常を見つめながら執着は色あせていくことに気づきます。この考察では、それらの消滅を見ます。

執着は本当に消滅します。そして、その中で涅槃を前もって少し経験することもできます。

消滅というのは抹殺ではないことを理解することが重要です。抹殺の願いの中には大きな自己が存在します。消滅の中には自己は存在しません。

問題は、否定的な感情をあまりにも性急に取り除こうとすることです。「こんにちは」を言う前に「さようなら」は言えません。

どのような形成作用が出現しても抑圧せず、迎え入れて注意深くその展開を見守りましょう。それらを妨害してはいけません。私たちはそれが無常であり、持続する中核を欠き、そして同一化できないことを見て取ります。

私たちが学んでいるプロセスは知的なものではありません。問題は解決するというよりも溶けてしまうのです。問題は自覚によって焼き尽くされてしまいます。

私たちがしがみつくことをやめたとき、苦しみが終わるのです。

十五番目の考察についての私の理解

否定的感情に対して、反射的に抑圧したり、逃避しようとしてしまう自分に気付くようになりました。

否定的感情であっても、共にあり、観察して自然に消滅するのを見守ることが大切であると理解しました。

「こんにちは」を言う前に「さようなら」は言えない、というフレーズは印象的です。私も最近では、マイナス感情に出会った時、「やぁ、また来たね」などと心の中で呟いて、出迎えるようにしています。

まだまだ、すべての感情に対処出来るわけではないですが、だいぶ良くなってきたと感じています。


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