第三章 心と共に呼吸する  第十二の考察


心の解放

第十二番目の考察は、心についての考察の最後になります。

第十二の考察

12.「心を解き放ちながら息を吸おう。心を解き放ちながら息を吐こう」と訓練する。

十一番目の考察から心が集中してくると、貪欲や、怒り、鈍い心、疑いなどの障害が力を失ってきます。

心の障害がなくなるもう一つの強力な要因は、呼吸と共にあることから生まれてくる幸福感です。本当にその幸せを知ると、心の障害に巻き込まれるのを避けることがずっと簡単になります。

第十二番目の考察の本質は解放を実感すること、つまり心が物事に執着していないときにはどんな風なのかを理解することです。

無執着に至る道は、執着について学び、観察して理解することです。無理に手放そうとしてはいけんません。

執着には、物を持つ、持たないといったことについてや見解、意見に対して、あるいは儀礼や儀式に関してなど、さまざまなものがあります。その最も深刻な領域は、物事に対して「私」とか「私のもの」として執着することです。これは、すべての苦しみの土台となっているものです。

十二番目の考察では、呼吸と共にあり、執着してしまったときとそうでないときを認識します。心理的構成要素は綿密に観察されるとおのずから解きほぐれていき、そうしなければそのままです。ありのままでいることと手放すこととが同じ意味を持つようになってくるのです。

十二番目の考察についての私の理解

あらゆる執着について、呼吸と共に観察し、理解することが執着を解放する道であることがわかりました。

「やがては、観察すれば執着から解放され、また観察しなくとも手放せる、それらは同じ意味を持つ」、ということは、つまりは執着について本当に理解すれば、観察するといったことにも執着をもたず、解放しようという執着をもたず、つまりは、静かに見つめ、また、見つめなくとも執着から解放される、ということかと今のところ理解しております。

photo By towsonu2003


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