第一部 一遍 伝説上の仏陀 第四章 仏陀の入滅


五重塔
伝説上の仏陀の入滅についてです。

仏陀の入滅

12.大いなる入滅(大般涅槃)
仏陀のいましめはいつも三つの点に帰着する。すなわち、正しい道徳的な自己訓練(戒)と瞑想(定)と認識(
(慧)とである。「瞑想が正しい行為にささえられれば、功徳が多く、果報が大きい。認識が正しい瞑想にもとづいていれば、功徳が多く、果報が大きい。そしてこのような認識にみたされれば心は欲望や迷いなどのあらゆる妄想から自由になる」

仏陀はまた「四つの尊い真理」を説く。「ビクたちよ、しかし今や、苦悩と苦悩の起源と、苦悩の絶滅と、苦悩の絶滅にいたる道との、尊い真理を洞察し悟った。生存への渇望を根絶し、生存への誘惑をうちほろぼした。もはや生存に戻ることはない」

年老いた仏陀は、病気になる。弟子のアーナンダは、マーラに惑わされているので、仏陀の入滅を引き止めることができない。仏陀は、マーラに三ヶ月後に入滅することを約束する。

仏陀は入滅するときにいう「私が入滅した後は、私が汝たちに説いたり教えたりした教えと修行とを、汝たちの師とするがよい」

そして、弟子たちに最後の言葉を与える。「弟子たちよ、さあ汝たちに告げる、生存を構成するもろもろの力の本性は無常である。いつもしっかり勤勉に努力するがよい」それから、瞑想の後、涅槃に入る。

仏陀の遺骸は火葬され遺骨は八つに分けられ、それらは塔に安置され、礼拝できるようにされる。

仏陀の入滅について

 
伝説上のお話であるのに、仏陀が普通に病気になり、老いて、やがて入滅し、火葬された、ということに少し意外な気がしました。神々が登場する部分などは、象徴であり、もしくは心的状況であり、物語としては実際には、真実の部分が多いのではないかとも感じられました。


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