第一章最後、第四の考察についてです。
第四の考察
4.「全身を静めながら息を吸おう。全身を静めながら息を吐こう」と訓練する。
第四のステップも第三のステップに従って自然に出てくるものです。
第四の考察は、集中した静けさの領域を探索する道です。そこには多くのレベルがあり、それらのガイドラインの一つが禅定(ジャーナ)と呼ばれるものです。
最初の禅定には、5つの要素があります。
ひとつめ ヴィタッカ(尋) 注意を対象に向けること
ふたつめ ヴィチャーラ(伺) 鑑定すること、心が対象への興味を持続させる能力
みっつめ ピーティ(喜) 喜悦。強いエネルギーの活気ある感じ
よっつめ スカ(楽) 大いなる安らぎと静寂
いつつめ エーカッガタ(一境性) 一点に定まった状態、集中(サマーディ)(三昧) 散漫さがなく揺るぎない状態
これらの状態は、心に安定をもたらす素晴らしいもので、経験することによって修行に対する信頼感が強化されます。
しかし、これらは罠にもなりえます。例えば、スカの状態に執着することによって世界から引きこもりがちになったり。
静寂は修行の途上における重要なステップですが、そこに閉じ込められてはいけません。これらは、修行の最終段階ではありません。
静かな心から生まれてくる喜びを用いて、自分自身を深く見つめ、呼吸、身体などの対象を意識していることから、意識そのものになることへと高まっていくのです。
第四の考察への理解
静けさの瞑想の段階を知るガイドラインとして、尋、伺、喜、楽、一境性の段階があることを理解しました。これらは、修行を続ける上で重要な段階ではありますが、また同時にこれらの段階に執着してしまう、という罠も潜んでいます。
そこに溺れずただそれに気づく、という姿勢が必要です。静けさの状態が修行の最終目的ではないと知ることを学びました。